【この日、なんの日?】10月21日

10/21 江戸川乱歩

こんにちは、BONDs編集部のいがらしです。

今まで、【この日、なんの日?】シリーズとして、色々な記念日をご紹介してきましたが、今回からは少し種類を増やし、過去の偉人や有名人などの誕生日にも注目、その人物にまつわる情報をご紹介していきます。

  

「◯◯の秋」と言えば…。

みなさんは、どんな秋を思い浮かべますか?

芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋。

ここはやはり、食欲の秋!と言いたい所ですが、今回は“読書の秋”をおススメします。

なぜなら、今回ご紹介する10月21日生まれの偉人はこの人。

『江戸川乱歩(えどがわらんぽ)』

大正から昭和期にかけて、主に推理小説を得意とした小説家・推理作家です。

代表作として、探偵・明智小五郎シリーズの「D坂の殺人事件」「屋根裏の散歩者」、少年探偵団が活躍する「怪人二十面相」など、数々の個性的で独特の世界観がある作品を書かれています。

映像化されている作品も多いので、そちらの方で馴染みがあるという方も多いのでは?

 

また、現在では、乱歩自身の作品よりも「乱歩賞」という文学賞を受賞した作家や作品の方が注目度が高いかもしれませんね。  


余談ですが、人気マンガ「名探偵コナン」の主人公、”江戸川コナン”の名前は、“江戸川乱歩”とシャーロック・ホームズで知られるイギリスの作家“アーサー・コナン・ドイル”、二人の小説家の名前をとってつけられたのだそうですね。

生い立ち

乱歩は、1894年(明治27年)10月21日、三重県名張市に藩士の血筋の長男として生まれました。

本名は、平井 太郎(ひらい たろう)。

小学生時代、母親に推理小説を読み聞かせられた事が、物語の世界に興味を覚えたはじまりだそうです。

中学時代はいじめられっ子だったらしく、学校も休みがちで、その間は読書と独りぼっちで物を考えたりと自分だけの世界に浸っていたといいます。

そんな日々が、のちの奇抜な発想や幻想的な作品が生まれる原点になっていたのかもしれませんね。

 

その後、単身上京し、早稲田大学経済学部に入学。

学生時代は、父親の会社の倒産の影響もあって、アルバイトに追われる生活をしながら、唯一の楽しみが図書館での読書。

アメリカの文豪エドガー・アラン・ポーや、イギリスの作家アーサー・コナン・ドイルといった当時の外国推理小説作家の作品を読みあさり、それをきっかけに推理作家の道を志します。

卒業後、貿易会社や古本屋、蕎麦屋など15程の職を転々としますが、1923年29歳の時に「二銭銅貨」で小説家デビューを果たします。

この時つけたペンネームが『江戸川乱歩(えどがわらんぽ)』。

傾倒する「エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)」をもじって付けたのです。

 

また、転勤の多い親の仕事の都合で子供の頃から引越しを繰り返しており、その影響もあってか大人になってからも一つの住処にとどまらす、生涯で46回もの引越しをしています。

最後の住処となったのが、池袋の立教大学に隣接した土蔵付きの借家でした。

この場所が気に入っていた乱歩は、1934年に移り住むと、70歳で死去する1965年まで住み続けました。

現在、この邸宅と幻影城と呼ばれる書庫兼書斎の土蔵は、立教大学に寄贈されており、毎週水曜日と金曜日は一般公開されています。

 

<旧江戸川乱歩邸>

推理小説の先駆者

乱歩がデビューした当時、日本国内では推理小説というジャンルは殆ど存在していませんでした。

彼は、推理はもちろんの事、変装やグロテスクな描写、サディズムなど、今までの推理小説には見られなかった要素を盛り込んだ独自の世界感で多くの読者を魅了します。

また、少年探偵団も活躍する少年向けの作品も生み出し、幅広い層のファンを獲得。

乱歩の登場によって純文学が主流であった文学史の中に、推理小説史というページがあらためて開かれたと言われています。

 

因みに乱歩は、自身で「正味14年あまりしか働いていない勘定になる。書いているより休んでいる方が多かったのである」と語っている様に、31年の作家生活の中で、延べ17年間も休筆しています。

理由は、

作品の評判が悪く、作家としての自分の力に疑問を抱いたから。

本が売れ、当分生活に困らない印税を受け取ったから。

戦時中、情報局の方針で推理小説の執筆が禁止になったから。

等々、その時々で色々あるのですが、休筆後には新たな傑作を生み出している事から、乱歩にとってはこれぐらいが丁度よいペースだったのかもしれません。

 

一方で、推理小説の評論家としての活動や、新人作家の発掘や育成にも力を入れるなど、プロデューサーとしての一面も持っていました。

自分を訪ねてくる推理小説家や愛好家たちが一同に会する場を提供したいと考え、1947年には「日本探偵作家クラブ」を発足。

小説を語る場としてではなく、各界からゲストを招いて勉強会を開催するなど推理小説というジャンルの発展にも貢献しました。

クラブに自ら100万円の寄付を行い、これを基金として、推理小説奨励の為の賞を制定。

当初は、推理小説の分野において顕著なる業績を示した人に対する功労賞としての意味合いの賞だった様ですが、後に長編小説を公募して優秀作を選ぶというスタイルに変更されました。

これが、『江戸川乱歩賞』です。

副賞1000万円!

改めて、乱歩賞とはどんな賞なのでしょう。

 

 

江戸川乱歩賞

・1954年、江戸川乱歩の寄付を基金として、日本推理作家協会(旧:日本探偵作家クラブ)により、推理小説を奨励するために制定された文学賞。

・対象となる作品は、公募による長編小説。

・正賞として江戸川乱歩像、副賞として1000万円が贈呈。

・受賞作は講談社から出版され、後援であるフジテレビにより映像化される。

 

作家として文壇にデビューしていないアマチュアが主対象の為、現在では推理作家への登竜門として知られ、これまで、陳瞬臣、西村京太郎、森村誠一、和久峻三、栗本薫、東野圭吾、桐野夏生、池井戸潤など、各世代のスター作家を多数輩出しています。

 

そしてなんと!副賞は1000万円なのですね。

因みに、直木賞や芥川賞は副賞100万円です。

出版後の印税もプラスされると更にすごい事に!

ですがこれは、ある意味先行投資的な側面もあり、受賞者は第2作発表の場も含め、講談社が協力にバックアップし育成する為、新人賞受賞後も活躍していく作家の率が非常に高いのだそうです。

「直木賞を受けて消えた作家はいても、乱歩賞を受けて消えた作家はいない」とまで業界で言われる程だとか。

読書の秋

『江戸川乱歩』いかがでしたか?

名前は聞いたことがあっても作品を読んだことが無いという方は、この機会にぜひ幻想的な乱歩の世界に触れてみてくださいね。

個人的に、哀愁を感じる秋は、推理小説やミステリー小説を読むのにはぴったりの季節だと思います。

乱歩賞を受賞した作品なども一緒に、“読書の秋”を堪能しましょう。

 

さらに、読むだけは物足りないという方は!

第64回の江戸川乱歩賞は、現在作品を募集中(締切は2018年1月末日)

詳しくは、こちらから。

推理小説で、自作未発表のものなら誰でも応募可能です。

自分の中に意外な才能が眠っているかもしれませんよ?

 

いがらし