【この日、なんの日?】4月13日

4/13は『喫茶店の日』

こんにちは、BONDs編集部のいがらしです。

 

みなさんは「コーヒーが飲みたい!」そう思った時。

どこでコーヒーを買いますか?

どこでコーヒーを飲みますか?

 

数年前から、『コーヒー戦争』などと呼ばれる、一杯のコーヒーを巡る戦いが激化しているらしいのですが…。

きっかけは、2008年にマクドナルドが新たな集客の武器とするため、コーヒーの味を全面的に刷新。100円という低価格でしかも質の高いプレミアムローストコーヒーを発売した事が背景にあると言われています。

そしてこの100円コーヒーのヒットにより、「マクドナルドで買ったコーヒーを持って、コンビニでパンやおにぎりだけを買う」という動きが生まれ、この状況に目を付けた大手コンビニ各社が、カウンターコーヒーとも呼ばれる「いれたてコーヒー」の提供を始めた事でさらに拍車がかりました。

コンビニのコーヒービジネスの成功により、今では大手スーパーや外食チェーンなど異業種の参入が相次ぎ、需要を奪い合う形となっています。

結果、既存の勢力であった“カフェ”や“喫茶店”などは軽食メニューの強化や居心地のよい空間作りなど、サービス面で差別化を図る工夫が求められるようになりました。

大手カフェチェーンなどは、「スターバックス イブニングス」や「タリーズコーヒー プライムファイブ」と言った、アルコールも提供するカフェなどに力を入れて来ている様ですね。

 

ところで、この“カフェ”と“喫茶店”。

どちらも、コーヒーや軽食などを愉しめる空間ですが、この二つには法律でしっかりと定義された明確な違いがあることをご存じでしたか?

 

そもそも、喫茶店とカフェでは営業するための許可が違います。

 

 

飲食店営業許可よりも喫茶店営業許可の方が許可を取りやすいそうですが、喫茶店営業許可では、アルコールの提供ができず、単純な加熱以外の調理全般ができない事から、コーヒーや紅茶などの飲み物、菓子や軽食などしか提供できません。

一方カフェではアルコールが扱え、本格的に調理した料理を提供することもできます。

とはいえ、店名に「喫茶店」と付いていても飲食店営業許可を取っている場合もあれば、喫茶店営業許可なのに「カフェ」を名乗っている店もあるようなので、定義はあっても利用する側にとっては特に区別する意味はないですよね。

実際には、「喫茶店」を名乗るお店は随分と減っている気がしますが…。

 

今回はそんな、“喫茶店”に注目してみたいと思います。

4/13は『喫茶店の日』

明治21年(1888年)4月13日、東京・上野に日本初の喫茶店「可否茶館(カッヒーさかん)」が開店したことが由来だそうです。

この可否茶館、ビリヤードや囲碁、将棋を行えるスペースが設けられていたり、国内外の新聞や雑誌が置いてあったり、図書館を目指して様々な書籍・書画などが閲覧できる様にもなっていました。さらに、硯や筆・便箋などの文具まで常備してあるなど、「庶民が自由に知識を学べる新しい場」を提供するという事をコンセプトに作られたそうですが、残念ながら経営難の為、4年程で閉店してしまったそうです。

この様なコンセプトを明確にした喫茶店を作るなんて、とても斬新な事だったのではないかと思いますが、この時代にはちょっと早すぎたのかもしれませんね。

 

ところで、全国で喫茶店の店舗数が一番多い県はどこだと思いますか?

平成26年のデータになりますが、10位までは下記ランキングとなっています。

 

 

実は、日本の喫茶店文化は、大阪を中心とした関西が発祥とも言われます。

古くから貿易港として栄えていた神戸には外国人も居住し、コーヒーを扱う商社も多く、コーヒーを売るのと同時に店内でコーヒーを飲ませたりもしていたとか。

そういった環境が元となり、高度成長期になると大阪を中心に喫茶店の出展が相次ぎ、全国一の喫茶店エリアが生まれたそうです。

また、オフィス内に応接スペースが少ない会社も多く、商談の場に喫茶店が活用される事が多かったのも店舗数が増えた一因とも言われています。

事業所統計などによると都道府県別の店舗数では大阪が少なくとも30年以上は、店舗数トップを維持しています。

その為競争も激しく、客を呼ぶためにそれぞれの店独自のメニューやサービスが生まれ、安い価格でトーストやゆで卵を提供する「モーニング」などは、このエリアから全国に発展していったとされています。

コーヒーのおまけ

“モーニング”と言えば、名古屋が有名ですよね。

メディアでも特集されていたりするので、ご存じの方も多いと思いますが、名古屋は独特の『喫茶店文化』が盛んです。

朝食は家族で喫茶店に行き、団らんの時間を過ごしてから1日が始まるという事も普通だそうで、パジャマのまま喫茶店に行くという話も・・・。

 

総務省統計局の平成25年~27年の家計調査(2人以上の世帯)によると、年間の“喫茶代”に対する支出額について、全国平均は5,770円ですが、県庁所在地、および政令指定都市別に見ると、名古屋市は14,301円と全国平均から2倍以上の金額となっており、突出しています。

名古屋の人にとって喫茶店は、日常生活に溶け込んだ、安心感のある場所なのですね。

 

何より特徴的なのは、1杯のコーヒーを頼めば、トーストにゆで卵、サラダにデザートなどコーヒー代を上回るおまけの“モーニングサービス”が当たり前な事。

このモーニングとして出されるメニューには、ご飯に焼き魚、カレー、うどんなどもありお店によって様々、もはや何でもあり!?な感じもしますが、毎日違う喫茶店に行けば、色々なメニューがおまけで食べられるのだから、お得感があって嬉しいですよね。

 

全国展開をしている『コメダ珈琲』も、始まりは名古屋市にあった個人経営の喫茶店でした。今ではスターバックスコーヒー、ドトールコーヒーショップに次いで、店舗数で国内第3位の巨大喫茶店チェーンとなっています。

 

誰もがくつろげる「街のリビングルーム」でありたいというモットーから、少し大きめで温かみのある色彩のイスや分厚いテーブル、プライバシーを守るパーテーションの設置など、柔らかい空間作りにこだわっています。

選べるモーニング

(A:定番ゆで卵  B:手作りたまごペースト C:名古屋名物おぐらあん)

 

もちろん、全店舗でモーニングサービスがあり、開店から11時まではコーヒー1杯の値段で3種類から“おまけ”が選べます。

ここではやはり、コーヒーと名古屋名物おぐらあんトーストを…。

幻のレシピ

喫茶店メニューによくある、たまごサンド。

一般的には、つぶしたゆで卵のペーストを挟んだサンドイッチを思い浮かべませんか?

ですが、関西ではちょっと違っていて、オムレツの様な分厚い卵焼きを挟んだ玉子サンドが出てくるお店が多いのだとか。

中でも京都にある『喫茶マドラグ』というお店の玉子サンドが大人気だそうです。

元々、同じく京都にあった「コロナ」というお店の人気メニューだったそうですが、お店が閉店してしまった為、そのレシピをこちらの喫茶店が受け継ぎ、幻の玉子サンドと呼ばれる味を提供しているそうです。

この、レシピを受け継ぐという事には大きな意味があり、喫茶マドラグという喫茶店自体も、元々は「喫茶セブン」という昭和38年から約50年続いた街の名店を、現在のオーナーがそのまま引き継いだお店なのだそうです。

京都の街も、昔から喫茶店が交流の場として親しまれていたそうですが、経営者の高齢化や外資系カフェの進出による売上げ低下など様々な問題の前に、歴史的にも重要な店が次々と閉店していってしまったそうです。

そんな現状に、伝統のある街の喫茶店を何とか残したいと、マドラグのオーナーが「京都喫茶文化遺産」というチームを立ち上げ、経営の引き継ぎや後継者の派遣、資金面の支援などを行い、喫茶店文化を繋いでいく努力をしているそうです。

 

喫茶マドラグは、昨年東京にも進出。

神楽坂にオープンした商業施設、La cagu(ラカグ)に入っています。

もちろん、大人気の玉子サンドがこちらのお店でも食べられますので、幻の味とも言われるサンドイッチを味わってみてはいかがですか。

 

(神楽坂の<街情報>はこちらの記事もご参考に)

居心地のいい場所

京都の街に限った事ではなく、全国的に喫茶店の数が減っている事は確かです。

ですが、最近の喫茶業界は、昭和の色が残る「レトロな喫茶店」の人気が復活してきてもいます。

 

時間をかけて手作業でドリップするコーヒーや、昔ながらのレシピで作られたケーキなど、あえて“かわらない”という事が、お店の個性となり新たな魅力となっているのかもしれません。

また、団塊世代が定年退職し、活動拠点を都心から自宅に近い郊外に移したことから「店で過ごす時間」を重視する人が増え、座席間の狭いセルフ式カフェより、少し割高でもフルサービス型の喫茶店へと需要が変化している事も要因の一つです。

 

街に溶け込み、気負い無く入れて、何となく落ち着ける空間。

そんな居心地のいい場所で、コーヒーを一杯。

 

春本番、喫茶店の良さを再発見しに出かけてみませんか?

 

いがらし