
こんにちは、BONDs編集部で、Webユニットの小畑です。
毎年2月くらいに、電通から「日本の広告費」という調査報告書が発表されるのをご存知でしょうか?
今年は2月23日に、「2016年 日本の広告費」が発表されました。
今回のWeb知識は、発表された「2016年 日本の広告費」より知っておきたい最新情報を抜粋し紹介いたします。
そもそも、「日本の広告費」って、どういう資料?
「2016年 日本の広告費」の詳細内容は、こちらを参照ください。
「日本の広告費」は、日本国内で1年間(1〜12月)に使われた広告費(広告媒体料と広告制作費)の統計です。1947年に推定を開始し毎年発表しているもので、マス四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)をはじめ、衛星メディア関連、インターネット、プロモーションメディアについて、媒体社や広告制作会社のご協力を得ながら推定を行っています。
今回「2016年 日本の広告費」の注目ポイント
リリース文では、以下3点を見出しとしています。
- 日本の広告費は、5年連続でプラス成長。
- 総広告費は6兆2,880億円、前年比101.9%。
- インターネット広告媒体費(制作費除く)が初の1兆円超え。
それでは、上記3点を、少し掘り下げて紹介します。
1.日本の広告費は、5年連続でプラス成長。
2.総広告費は6兆2,880億円、前年比101.9%。
2016年の総広告費は、天災や先行き不安などが要因と考えられる低調な国内消費、円高株安傾向に伴う企業業績の低下、テロや世界的な保護主義の台頭など下押し懸念があったものの、景気は緩やかに拡大し、リオデジャネイロ オリンピック・パラリンピック、伊勢志摩サミット、インターネット広告のさらなる拡大などマーケティング活動の活発化により、6 兆 2,880 億円、前年比 101.9%と、5 年連続でプラス成長となりました。
3.インターネット広告媒体費(制作費除く)が初の1兆円超え。
簡単に媒体別の実績を伝えます。
まず、「新聞広告費」(前年比 95.6%)、「雑誌広告費」(同 91.0%)、「ラジオ広告費」(同 102.5%)、「テレビメディア広告費」(同 101.7%、地上波テレビと衛星メディア関連)を合計した「マスコミ四媒体広告費」は、同 99.6%です。
そして、「インターネット広告費」(同 113.0%)は、モバイル広告市場の成長や動画広告、新しいアドテクノロジーを活用した広告配信の浸透などにより伸長し、全体をけん引しています。
なお、「プロモーションメディア広告費」は、同 98.9%であったものの、屋外広告、展示・映像ほかが前年に引き続き増加しています。
本調査報告書には、各メディア毎の、より詳細な特徴も記載されておりますので、ご参照ください。
インターネット広告市場の振り返りと最新トレンド
20年前、1996年にはわずか16億円だったインターネット広告費は急成長を遂げ、04年にラジオ広告費、09年に新聞広告費を上回りました。そして14年には、媒体費と制作費を合わせたインターネット広告費全体が1兆円を超え、16年には媒体費単独で1兆円を超えました。
広告市場のインターネット広告へのシフトの流れは今なお続いており、中でも、動画広告やSNS上の広告ニーズはますます増加傾向です。デバイス別では、特にモバイル利用者の多いSNSにおいて、フィード上のコンテンツとコンテンツの間に表示される「インフィード広告」が定着しつつあり堅調な伸びを示す一方で、従来のPC上でのバナー広告などは減っており、モバイルへのシフトが進んでいます。
考察
今回や以前の内容より、媒体別の広告費の推移を折れ線グラフで可視化すると、このようになります。
※AdverTimes「媒体別広告費の推移」を一部加工
2016年の進捗率のまま推移した場合、なりゆきで、6年後の2022年には、インターネットがテレビメディアに追いつくことになります。もしインターネットの進捗率がさらに伸びた場合、6年後の2022年よりも、もっと早いタイミングでインターネットがテレビメディアに追いつくこともありえます。
インターネット広告は費用対効果が担保された運用型広告のクライアント側への浸透や、配信面が増えてきた動画広告の充実により、今後ますますクライアント側の出稿ニーズを得て、2016年と同等以上の成長率で伸びていくのではないかと私は思いますので、2022年よりも早いタイミングで追いつくのではないかなぁと勝手ながら予想しています。
まとめ
今回、私が注目したのは「プロモーションメディア広告費」の中で、「屋外広告」、「展示・映像ほか」が前年に引き続き増加している点です。昨年はVR(バーチャルリアリティー、仮想現実)が注目された時期でもあり、新しいテクノロジーを駆使したイベント関連の広告が活性化しているのかもしれないと感じた今日この頃です。
みなさんもこの記事によって、広告市場の動きを想像するきっかけになれば幸いです。
小畑