【街情報】JR中央線・東京メトロ丸ノ内線 荻窪

こんにちは。編集部フクモトです。

 

今回紹介する街は、荻窪です。

荻窪と聞くと、ラーメンを想像する方も多いのではないでしょうか。Webの検索窓に“荻窪”と入力すると、候補の上の方に“荻窪 ラーメン”って出てきますしね。BONDsメンバーの中にも「荻窪ってラーメンでしょ?」と言う人がいました。

ラーメンを連発していますが、ラーメンの話は一切ありません。街の話です。

似て非なる“荻窪”

今回は、まずはこのグラフから紹介します。

 

■供給戸数

 

 

■平均坪単価

 

 

■平均面積

JR中央線 新宿~武蔵小金井で供給された新築分譲マンションの状況を2013~2014年と2015~2016年とで比べてみたものです(2016年12月時点 DGコミュニケーションズ調べ。2016年12月販売物件のデータが一部反映されていない部分があります)。

 

1つ目の供給戸数グラフを見ると、他の駅に比べて高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪では供給がかなり少ないことが判ります。2000年代前半は、バス便ですが工場跡地に大規模マンションが供給された、ということはありましたが、基本的に徒歩圏内にはマンション用地もないため、総戸数50戸前後の小規模マンションしか出ることがありません。JR中央線を最寄りとする杉並区のマンションは少ない、稀少ということです。JR中央線が人気ということはこの業界ではよく言われることですが、この稀少性もその人気に一役買っているのだと思います。さらに言うと荻窪では駅から近い物件は人気で、高額でもすぐに売れてしまう傾向があります。

2つ目のグラフは、平均坪単価の動きなのですが、荻窪はもともと中央線の中では最も高単価な駅でしたが、2015年以降はさらに上昇しており、今や中央線高額エリアの座を確固たるものにしています。

それに対して、西荻窪は荻窪と比べて平均坪単価は割安、平均面積も狭くなっています。商品性が違う、つまりターゲットも違ってくるマーケットであると考えられます。“荻窪”とは言っても、異なるマーケットが形成されているのです。

杉並区が守ってきた住宅地

荻窪は住宅地として高い評価を得る街ですが、駅に直結してルミネや、駅前に百貨店型商業施設、大きな商店街などがあり、多くの人で賑わっています。しかし、駅から少し離れると住宅エリアとなり、戸建て住宅や低層マンションが広がります。

荻窪界隈は、大正から昭和初期には東京郊外の別荘地として著名人が多く居を構えました。与謝野晶子・与謝野鉄幹の住まいがあった場所は今、南荻窪中央公園と姿を変えますが、碑が立てられています。また第34・38・39代内閣総理大臣 近衛文麿が別邸を構えました。荻外荘と名付けられた住居は現在、荻外荘公園として残され、建物も国の史跡として指定されています。

それ以外にも井伏鱒二、太宰治、棟方志功をはじめとして多くの作家や芸術家が移り住みました。それらの足跡は杉並区の文化財に指定されています。このようなことがあり、杉並区随一の住宅地としての価値が守られているのです。杉並区ではこれらの文化財を散策できる史跡散歩地図を公開しており、認知促進活動を進めています。

隠れた名プレイヤー・丸ノ内線

荻窪駅は、JR中央線だけではなく、東京メトロ丸ノ内線も通る駅です。しかも始発駅。その事実を知らなかった、忘れていた、という人が私の周りに何人かいました。やはり中央線のイメージが強いのでしょうか。

JR中央線の高い利便性、都心直結性は言わずと知れたものですが、丸ノ内線もあなどることはできません。新宿、四谷、赤坂見附、大手町、東京、銀座といった都心エリアを駆け抜ける路線なのです。都心へ始発電車に座って行ける、ということも実は荻窪が人気エリアの理由の一つ。

以前、荻窪から2つ先の吉祥寺駅からバス便のところに住んでいる方に、通勤の仕方を伺ったところ、吉祥寺駅を使わず、バスで荻窪まで行き、丸ノ内線の始発で都心へ出るというのです。中央線沿線に住んでいながら中央線を使わない方もいらっしゃるのか、と驚いたものです。目立つ存在ではありませんが、便利な丸の内線が始発として使えることも荻窪の魅力なのでしょう。

豊かな自然

杉並区は東京23区の中でも緑被率が高く、23区中3番目に高い区(※1)です。善福寺公園、善福寺川緑地、和田堀公園といった都立公園をはじめ、317か所の区立公園(※2)があります。善福寺川緑地は歩いているだけで、「この辺に住みたいな」と思ってしまったほど、素敵な雰囲気を漂わせています。善福寺川緑地の近くでは大規模マンションがいくつか販売中、またはこれから販売されますが、環境重視の私としては、購入された方が羨ましい限りです。ただ、杉並区は面積が広く人口が多いので1人あたりの公園面積は下位(※3)になってしまうようですね。

※1、2:杉並区 平成24年度みどりの実態調査報告書(平成25年3月)より

※3:東京都建設局 東京都都市公園等区市町村別面積・人口割比率表(平成28年4月1日現在)より

 

年々価格が上昇している荻窪は、今後もさらに上昇してくることが予測されています。より高嶺の花になっていくのでしょうか。

“荻窪”とは言っても、マーケットが異なる西荻窪は、住宅地イメージよりもカウンターカルチャー的な文化・イメージで人気のある街です。この街も掘り下げればおもしろいので、機会があればスポットを当ててみたいと思います。

 

フクモト